この絵、SF映画の惑星破壊ビームみたいじゃない?実はこの絵は、宇宙で一番パワフルな活動をしている銀河の中心部のイラストなんだ。こういった銀河の中止意はものすごいエネルギーを吹き出しているんだよ。どのくらいのエネルギーかっていうと、普通の銀河を100個合わせたくらいになるんだ。
もちろん、この絵は「イラスト」で「写真」ではないのだけれど、天文学者の3D観測結果をもとにして描いたイラストなんだよ。天文学者が観測したのは、クェーサーと呼ばれる天体。発見されたときはどんな天体かわからなかったのだけれど、いまでは、とても遠くの宇宙にある活動銀河の中心部分のことだとわかっているんだ。すっごく遠くにある天体を立体視するのはとてもむずかしいよ。だけどね、たまたま、銀河の大集団がクエーサーと天文学者の間にあったおかげで、クエーサーの立体視ができたんだよ。
普通は、銀河の大集団があったりすると、それが邪魔をして向こうのクエーサーは見えなくなっちゃうと思うよね。不思議に思うかもしれないけれど、銀河の大集団があると重力によって向こう側のクエーサーからの光をぐうっと曲げるんだ。まるでレンズみたいだから、重力レンズって呼ばれる効果なんだよ。重力レンズ効果のおかげで、クエーサーを見ることができるだけじゃなくて、クエーサーを別の角度から見ることもできるんだよ。天文学者は、こうやってモンスター銀河(クエーサー)を立体的に観測することに成功したんだ。
知っ得ダネ
宇宙は重力に物が引き寄せられて集まったいろいろな構造がある。星もそう。星が集まった銀河もそう。銀河が集まった銀河団もそう。わたしたちが住む銀河系はおとめ座銀河団の一部だよ。おとめ座銀河団には2000個くらいの銀河が集まっているんだ。
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この記事は、国立天文台のプレスリリースをもとにしているよ。
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